私がかかわったマンションでは、復旧工事をする際には必ず現在の配管住置をチェックしたうえで更新工事を行うようにしてきました。
後々トラブルになる種は、早目に除いておいた方が良いでしょう。
排水の横配管の排水口から縦配管までの距離もチェックしましょう。
分譲マンションではキッチン、洗面所と浴室、トイレの三系統の配水管が設けられているのが普通です。
これらの配管のどれかが共通していると、その管が詰まって逆流した時や水漏れした時にマンション内は大変な臭気に襲われることになります。
それぞれを逆流しない十分な勾配をとるのが設計上の常識です。
換気設備に関してはどのマンションも全くお粗末なのが実情です。
換気状態が悪いのは換気扇の性能が劣るからではなく、ダクト配管工事の施工不良によって吸気がスムーズに外に排出されないケースがほとんどです。
デベロッパーやゼネコンも、入居後に実態調査を実施していないから平気でいられるのです。
換気設備のチェックは簡単です。
台所、トイレ、風呂場の換気扇にティッシュペーパーを一枚吸い付けてみるのです。
落ちてしまうようでは問題ですが、実際にはそうした例が多いのです。
ティッシュペーパーの代わりにタバコの煙を吹き付けて確かめる方法もあります。
簡単ですから、実際にやってみてください。
鉄筋コンクリート造の建物は騒音との戦いになります。
こう言うと怪訝な顔をする人がいますが、鉄筋コンクリート造は衝撃音を伝えやすい構造なのです。
よく「マンションは密室」などと言われますが、これは空気中を伝わる音(伝搬音)は防げるという意味なのです。
構造体を重くすればするほど衝撃音は伝わりませんが、重くすると材料費も施工費もかさみます。
デベロッパーは壁や床を少しでも薄く、少しでも軽くして経費を抑える努力をしていますから、衝撃音の解消はほとんど期待できないのです。
マンションの壁や床に耳を付けみれば、水の流れる音や何かがよっかかる音がよく聞こえることでしょう。
衝撃音を小さくするためには、コンクリート床(スラブ)を一八〜二0センチ程度まで厚くし、その上にフェルトやカーペットを敷くことで音の発生をやわらげる工夫が必要になります。
ところが八0年代後半にカーペットのダニ問題が騒がれたのをきっかけに、木質床のフローリングが全国的にブームとなりました。
そして、フローリング騒音トラブルが多発することになったのです。
ある日突然、フローリング騒音が上から落ちてきたら、下階に住む人はそれまでの快適な生活を奪われてしまいます。
しかし、ようやくダニ問題から解放されると喜んでいる上階の人にとっては、そんなことは知ったことではありますまい。
下階に住む人が上階の人と話し合おうとしても、取り合ってはもらえないでしょう。
どうしようもないのでそのマンションから逃げ出そうと決意したとします。
しかし、逃げ出すほどのフローリング騒音のある住戸に買い手が現れるでしょうか。
結局、下階の人は騒音から逃げ出すことができずにノイローゼになるか、上階の人と本気になって争う以外に道はないのです。
このように、フローリング騒音はその人の生活や経済、隣人関係までめちゃめちゃに壊してしまいます。
一口「音が気になる」と回答し、「逃げ出したい」という人も八パーセントいました。
マンション問題研究会はマスコミ各社の協力でこれを社会的問題として提起し、フローリング材のメーカーもようやく音の伝わりにくい商品を開発するようになりました。
現在ではかなりの管理組合がこの問題の深刻さを理解し、「フローリング施工細則」などのルールを設けて騒音防止に努めています。
もし見学でフローリング床が施工された住戸にぶつかった場合は、そのフローリングの遮音性能について十分に調べましょう。
また、下階の住入に接触してそれまでフローリング騒音がなかったか確かめてください。
上階の住戸内のフローリングがどうなっているかも必ず確認してください。
床材とスラブの間に温水パイプを張り巡らしたガス給湯器による床下暖房が多くの分譲マンションで導入されるようになってきました。
この設備の有無でマンションのグレードが決まり、購入の動機づけにもなっているようです。
しかし、マンション問題研究会が全戸の和室に床下温水暖房を設置した大阪市内のあるマンションを調査した結果、予想もしなかった実態が明らかになりました。
一O年前の調査ですが、この結果に対して全国のガス会社から「もっと多くの{丞臨で使われているはずだ」とクレームがありました。
そこで自社のデータをマンション問題研究会宛てに送って欲しいとお願いしたのですが、結局、どこも送ってきませんでした。
床下温水暖房ほどではないですが、浴量を利用した乾燥設備の使用状況もそれほど高くはありません。
こうした設備は使わなければ何十万円もの無駄を買うことになりますから、特に新築物件を購入する場合は本当に必要なのか、良く考えてみてください。
マンションでは、電気や電話線の配線、テレビの回線、都市ガスの配管が戸境壁や床下に埋め込まれています。
間仕切り壁にコンセントがある場合は住置は変更できますが、戸境壁などの躯体内に埋め込まれている場合は後から変更はできません。
各部屋のコンセント住置を確認して、入居した時の使い勝手を想像してみてください。
居間はもちろんですが、特に電化製品を多用するキッチン、ユーティリティーのコンセント位置は重要です。
トイレや洗面所、浴室内にもそれぞれ二口以上のコンセントがありますか。
都市ガスのコンセントは暖房器具を使おうと考えている場所のそばに住置していますか。
各部屋の電話線やテレビ回線の有無もチェックしてみましょう。
また、ブレーカーを探して、何アンペア使用できるか電気容量を確認しましょう。
専有面積が七0平方メートル以上になると、三Oアンペアでは不足しがちです。
キッチンには、独立型やオープン型、L字型、二面対向型など多種多様のタイプがあります。
キッチンユニットは長年使用してもめったに壊れたりすることはありませんが、外国製のキッチンでは万が一修理が必要になった場合に部品がないとか、ネジ山が合わないなどといったこともありますので、気をつけてください。
キッチンユニットにはさまざまな機器類が組み込まれていますが、ディスポーザー(生ゴミ処理機)は下水処理の関係上ほとんどの市町村でその使用が禁止されていますから、設置されている場合は注意してください。
キッチンのスペースがないと、食材や食器が居間にあふれできます。
収納力が十分か確認しましょう。
特に冷蔵庫用のスペースは、古い住戸だと最近の大型冷蔵庫に高さや幅などで対応しきれないものがあるので必ずチェックしてください。
パスや洗面化粧台などはユニット化され、最近のものは機能面でも大差ありません。
必ずチェックして欲しいのは浴槽の大きさで、内のりで縦一二0センチメートル、横六0センチメートル以上が必要です。
これより狭いものは大人では窮屈です。
浴槽だけ大きなものに後から取り替えることはできませんから、必ずサイズをチェックしてください。
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